「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」等に基づく体調急変に伴う事故防止対策の再徹底について
昨年3月3日の北陸道高速バス事故等を踏まえ、従来からの運転者の健康管理に係る施策が見直され、同4月18日に「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」の改訂が行われました。
これにともない、当会においても、事業用自動車の運転者の体調急変に伴う事故の発生の防止策に関しては、機会あるごとに周知を図ってきたところです。
北陸道高速乗合バス事故から1年を迎えること、また、ゴールデンウィーク等の多客期を迎えることから、より一層の安全性向上が図られますよう、下記の内容をはじめとした「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」等の運転者の体調急変に伴う事故を防止するための対策の徹底を図られますようお願いいたします。
記
1. 定期健康診断による疾病の把握
定期健康診断において、要再検査や要精密検査、要治療の所見がある場合には、当該運転者に医師の診断または
治療させ、その結果(医師からの乗務に係る意見)を把握すること。
2. 就業上の措置の決定
上記1における医師からの意見等を勘案し、当該運転者における就業上の措置(業務負担の軽減、業務転換、乗
務の継続/中止等の措置)を講じること。
乗務の軽減や転換などの措置を行った場合には、当該運転者に対して、医師等による改善指導又は保健指導を受
けさせ、健康状態を継続的に把握すること。
3. 乗務前点呼における乗務判断
乗務前の点呼において、事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルに定められている判断目安に基づき、運転
者が安全に乗務できる健康状態かどうかを判断し、乗務の可否を決定すること。
4. 乗務中の判断・対処
乗務中に、自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある一定の病気等に係る前兆や自覚症状等が現れた場合には、
運転者は無理に運転を継続せずに、近くの駐車場やサービスエリア・パーキングエリア等にて休憩を取り、速や
かに運行管理者等に報告するよう指導すること。
また、実際に体調が悪化した場合、または、急を要する脳・心臓疾患の前兆や自覚症状が現れた場合には、即座
に運転を中止し、車両を安全な場所に停車させるなどして安全を確保し、速やかに運行管理者等に報告するよう
指導すること。
上記4点は、乗務員の健康状態の把握等に係る事業者が措置しなければならない義務事項であるので、適確に実施されたい。
5. 平時からの健康増進
上記4点のほか、運転者の疾病の発症や健康状態の悪化につながる過労等をできるだけ引き起こさないために
は、産業医やヘルスケア機器、各種スクリーニング検査等を活用した健康状態の確認と、働く人それぞれの状況
に応じたきめ細やかな労務管理に努められたい。
また、運転者が自主的に疾病・過労を申告し、安心して治療し現場復帰できるような社内環境・雇用環境の整備
に努められたい。